« 清水戦など | トップページ | テレビ番組・録画放送など(こぼれ話) »

2006年4月16日 (日)

柳沢敦に捧ぐ

さて、怪我で戦線離脱中の柳沢敦。スタジアムに姿を見せた彼のために昨日のゴール裏は彼の名を試合前に叫んでいた。

ファンにあるまじき発言かもしれないが、正直なところ色々な意味でどうなっていくんだろうというのがあったりする。ロジカルな話ではありません。

最初に『鹿島復帰』となったときには本当に「いくらヤナギでも正直それはどうなんだ」と思ったのは否めない。1年契約ならまた違ったのかもしれないけれども。

そして開幕戦のあのハットトリック。ヤナギ変わったなぁというのが正直な感想だった。プレイではなく試合後のコメント。『代表に向けていいアピールになったのではないか』という旨の質問に、『ワールドカップもあるしがんばりたい』という旨の回答をはっきりと返していたこと。以前であれば、気を使ってか、曖昧に『目の前の試合を勝つだけ』というようなことを言っていたのではないかと。先日の代表戦での佐藤寿人のゴールに対するコメントも、ちょっとヒヤッとするようなコメントを出していたのを覚えている。玉田じゃねぇんだから。よく言えば『自分を出すようになった』ということか。悪く言えば、は、みなまで言わないけれども。

こんなことを書きつつ、選手の『精神的なもの』についてはあまり触れたくないという考えを持っていたりする。特に『精神的な成長』うんぬんというのは、ぶっちゃけていえば「そんなのわからんわ」。ああ怒ってるなとかああ喜んでるなとかああ上手く行ってないんだなとかいう表層的な感情くらいはそりゃ他人でも見ればわかるけれど、精神的な成長とか深層的なことは身近な人間やヘタしたら自分でもわからんのに選手のことがわかるかと言われたら私はとてもおこがましくて『分かる』とは言えない。これは去年のW杯最終予選アウェイのバーレーン戦のあとに某コラムニストがエルゴラッソかなんかに出した小笠原に関するコラムを読んでも違和感を感じたのだが。(ちなみにそのコラムニストは1週間前のUAE戦では同選手をボロカスにけなしていたが)

そして柳沢。彼がイタリアで何を学んできたのかは彼自身にしかわからないけれど、少なくとも目に見える形で伝わってくる『コメント』はちょっと変わったよなと思うようになった。

一応、いちチームのファンをやっているからには、長い間いいときも悪いときも見てきた思い入れのある選手をドイツで見たいと思うのは当然なわけで、ドイツで柳沢に会いたいと思う正直な気持ちは持っている。けれど、現実的に言えば当落線上微妙であることは否めない。実力の問題ではなく。正直、『W杯間に合うのかな』より、選出されるにしても落選するにしても、『W杯後に彼は今後のモチベーションをどこかから持ってくることが出来るのだろうか』という心配が私は第一にある。なんか前述の精神論と矛盾するが。外からでも、自分の内からでも、どこでもいい。鹿島に残留ならまだいい。イタリア復帰でまた干されるようなことがあれば今度こそ、だ。2002年の中村俊輔とは違う。年齢的なことも。

もしかしたら余計なことは考えないようにW杯後のことはまだ考えていないかもしれない。けれどW杯後も彼のサッカー人生は続くし、アントラーズのリーグ戦も続く。メッシーナは新シーズンを迎える。正直なところ、7月にどんな未来が待ち受けているのか全く想像もつかない。本当に全く想像がつかない。フローチャートにでも書き出してみれば、W杯に選ばれる選ばれない、また選ばれても活躍する活躍しないの分岐で恐らく全く違うものになっているだろうことは確か。どうにも、どうしても『いいほうの結末』のほかに『最悪の結末』も想像しておかないと気がすまないタチなので湿っぽい話になってしまってあれなんだけれども。

1年位前、彼がイタリアに居るときに、軽い気持ちで他サポの友達に『鹿島といえばこのコール、っていう印象深いのってなんかある?』と聞いてみたら、大多数が『「やなーぎさーわ」…かな』と言ってきて笑ってしまったことがある。もう彼がイタリアに発ってからだいぶ経っていたのだけれども。ただ単に耳に残るチャントだということもあるだろうし、『これやってるときのお前らなんかもう痛々しくてなぁ…(笑)』とか余計な一言を付け加えられたけれども、別に悪い気はしない。やはり柳沢敦なのである。そういえば意外にファビオジュニオールのコールの人気が高かったな…あれマリサポの友人に『徹子の部屋・トランスVer.』といわれたことがある。話がそれた。

柳沢のプレーで一番印象に残ってるのは何かというと、2001年チャンピオンシップ2ndレグのたしか延長戦?でのあれである。スルーパスに抜け出し→キーパーと1対1→宇宙開発→そのモーションをキープしたまま天を仰いで地面に転がる。抜け出してから天を仰いで倒れこむまでのモーションがあまりに美しい完璧な流れで思わず大笑いする。ビデオとってる人は見てみて。いや勝ったから今となっては笑い事という話なんだが。

とまぁこんな感じで、頼れるストライカーかと言われると決してそうではないのだけれど、とにかく『良いときも悪いときも見てきた』選手は誰かと鹿島サポーターに問うたら大多数が『柳沢』と言いそうな気がする。とにかくサポーターがここまで世話を焼いた選手ってのはちょっと過去例を見ないんじゃないだろうか。鹿島サポーター以外にはわかりにくいと思うけれど、異常に『年配のサポーターさんからの人気が高い』。私の周りだけだったらどうしよう。おばちゃんサポーターと柳沢の話をすると本当に嬉しそうで、『ああ、ヤナギが可愛いんだなぁ』と思うことはよくある。頼れるストライカーというわけではないのに愛されるこの柳沢の不思議な魅力というのは鹿島サポーターじゃないとわからないだろう。(戦術的な貢献うんぬんの話はここでは抜き。ここではリリカルな話をしたい。)

まぁ長々とわけのわからんことになってしまったけど、色々と思うところはあるけれど、土曜日の朝にクラブハウスでちらっと柳沢の顔を見たときに、『なんかなぁ、代われるもんなら代わってやりたいけどなぁ…』と思ったのは正直な気持ち。そう思ってる鹿島サポーターがいっぱいいるであろうことも間違いはないだろう。

柳沢には、試合前に自分の名を呼ぶサポーターの声がどう伝わっただろうか。
『早くカシマのピッチに戻って来い』
『早く治して一緒に優勝しよう』
『お前をワールドカップに連れて行く』
色々な意味にも取れるし、またこれらは全てリンクしているものでもある。

柳沢敦には伝わっただろうか。

|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/54669/9625880

この記事へのトラックバック一覧です: 柳沢敦に捧ぐ:

コメント

コメントを書く